2013年03月13日

札幌演劇界について、ちょっと一文

 前項「わが友ヒットラー」関連で、ちょっと一文。
 別に書かずに済ませてもいいのだろうけれど、「わが友ヒットラー」のチラシに載っている飛ぶ劇場(北九州)主宰の泊篤志さんの推薦文について、札幌演劇界が馬鹿にされたようでもともと気になっていたのが(部外者なのに)なんだか日が経つにつれていよいよ腹が立ってきたので、あえて書いておく。
 チラシの泊さんの推薦文、全8行から前半3行分を抜粋する。
 「Ortが札幌公演をするって聞いて驚いた。勝手なイメージで札幌ウケしそうにないからだ。そんな事を言って札幌演劇界のイメージを決めつけちゃうのは申し訳ないんだけど、でも、Ortの芝居は、まあ、わりとマニア好みなのだ。真面目だし。何といっても今回の演目は『わが友ヒットラー』だし。三島だし」
 泊さんはintroのイトウワカナさんの作品監修などで札幌滞在も長かった、あるいは来札回数も多いと思うのだが、札幌の演劇界についてはこの程度の認識に過ぎなかったのか…ということ。
 札幌では1年もいれば、シェークスピアからチェーホフから、三島、泉鏡花、岸田國士、別役実、清水邦夫、太田省吾、井上ひさし、寺山修司、唐十郎、つかこうへい、北村想、野田秀樹らの作品のどれか3本は見られる(私なりの観劇実績として)。2年いれば8本は見られるかもしれない。もちろん、挑むカンパニーの水準はさまざまで、出来、不出来はあるが。
 でも、自らの新作公演のほかに、これだけ古典から近現代の戯曲に挑戦するカンパニーがある演劇界は、東京のほかにはあまり思いつかない。
 それに、単なる自己満足のマスターベーション公演でもなく、各カンパニーの固定ファンに加えての集客もある。
 「真面目」なものを好む「マニア」がちゃんといるのだ。
 そこで、勝手にお願いする。
 泊さんにおいては、今後もし札幌演劇界で作品監修などすることがあるならば、「初見の人がワーイと喜ぶ感じの芝居」(推薦文4行目。三島の「わが友ヒットラー」はそうではない感じの旨と続く)だけではなく、ぜひ「真面目」な「マニア」向けの作品も監修していただきたい。
 「マニア」は待っています。
 ちなみに私は直接、泊さんを存じ上げないので、どなたかお知り合いの方がいらっしゃれば、こんな「演劇病」患者がこんな戯言をほざいていましたよと、密告していただいてかまわないです。


posted by Kato at 22:04| Comment(1) | TrackBack(0) | 劇評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
福岡の高崎といいます。泊さんの知り合いです。
fringeサイトのリンクからこちらに来ました。

地域演劇の丁寧で継続的な批評活動に敬意を評します。福岡にもこういう方がいらっしゃるといいなと感じました。

>作品のどれか3本は見られる

ちゃんと数えておらず印象なので根拠が弱いですけども、福岡だと年間5,6本は見られる感じがしますね。

古典から近現代の戯曲が少ないと言うよりも、ストーリーとドラマを重視したエンターテイメント性の高い作品が多いという印象なのだと思います。
ドラマ性の少ない作品が多くないということも含まれているように思います。
そして、それは私も札幌に対しぼんやりと似たような印象を持っています。

京都、金沢、広島、福岡の地域演劇シーンと比較すると、比率的にはストーリーとドラマを重視したエンターテイメント性の高い作品が多いという印象です。

「初見の人がワーイと喜ぶ感じの芝居」という表記は「芝居を初めて見るような人が、苦痛・違和感なく楽しめる可能性の高い芝居」というような意味なのでしょうが、たしかに揶揄的といえるかもしれません。広報性のこともあり、多少目を引く表現にされたのでしょう。

札幌演劇シーンが真面目じゃないということではないように思います。
私も何度か札幌に行って芝居を見たことがありますが、札幌の地域演劇シーンはとても素晴らしいと思います(http://sakuteki.exblog.jp/16670410)。多くの真面目な努力の賜物だと思います。

今回の件で特に話をしてはいませんが、おそらく泊さんも同じような認識で、札幌の演劇シーンを馬鹿にするような意図は一切ないと思います。
Posted by 高崎 at 2013年03月24日 16:04
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