2011年11月27日

学級出し物プロジェクト

 第6回北海道中学生演劇発表大会が11月27日(日)、札幌市教育文化会館小ホールで開かれ、札幌市立北野台中が最優秀賞、砂川市立砂川中と北海道登別明日中等教育学校が優秀賞に選ばれた。私は審査員3人(ほかに平田修二・北海道演劇財団専務理事=委員長、藤村智子・NPO法人コンカリーニョ理事)の一人として選んだ。最終的に、審査結果は3人の意見が一致した。
 北野台中の演目は「学級出し物プロジェクト」(作竹生東・室達志=顧問創作、指導者竹生、代表生徒桑野むぎほ)で、3年2組の修学旅行での学級出し物プロジェクトを決めるに当たってのクラス内の一悶着を、歌あり演奏ありスタンツありで描いたコメディー。出演した生徒16人の個性が際立っていたうえに、いかにも日常の学校生活であるかのように生き生きときびきびとした動きで描かれ演じられており、文句のつけようがなく素晴らしかった。
 実は昨年、十勝管内清水町立清水中が「俺たちの甲子園」で最優秀賞を獲得した後、自信があったのであろう竹生が「なぜうちではなく、清水中なんですか?」と、平田氏に突っかかった現場に私はいた。もちろん二人とも日ごろから付き合いがあり、仲が良い上でのことである。平田氏は「竹生さんのところの生徒が演じた芝居って、ほんとにいま、竹生さんの生徒が問題意識を持って演じたがっていた芝居でしたか? そうではなく、むしろ竹生さんの考えを押しつけていたのでは」といった旨の疑問を投げ返し、「そうではない芝居ができたら、6月に(演劇財団所有の)札幌・シアターZOOを無料で貸します」とまで言った。それは実現ならなかったが、きょうの芝居はまさに、それを竹生が実践を持って体現した形だったのだと思う。生徒たちが生き生きしていた。
 生徒たちが演劇という手段で本当はなにを発信したいのか? 40代半ば過ぎの私からすれば彼らは確かに幼すぎるし、教育現場のこともよくわからないので決めつけては書けないが、その発信を教師がある道筋に誘導すべきではないと、私も思う。どちらかというと、生徒たちがなにを考え、なにに悩んでいるのか、なにを喜びとしているのか、その心をそっとすくい取って、いくつかの可能性を示してあげるべきなのではないかと思う。
 登別明日中等学校は踊りや歌を交えた演劇的な趣向が巧みで審査員3人一致での優秀賞。もう一つの優秀賞については、私だけ最初は別の中学を挙げたが、他の2審査員から、それはテーマ主義になってしまっていて、演じる生徒たちがそれを伝える駒になってしまっているのではないかとの指摘があり、それよりも、「非常口」という奇抜なものを主人公に人情の機微を描いた物語を生徒が創作した砂川中を推そうとの意見に、最終的に私も納得した。
 審査員の一人がここまで内情を書くコンクールもおそらくは全国でもそうないであろう。まあ、通信簿や官報ではないので、先生方、お許しください。
 出場した各校のみなさん、お疲れさまでした。そして感動をありがとう!
 北野台中のみなさん、本当におめでとう!


posted by Kato at 23:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 劇評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

今晩は。
劇団クリオネの者です。
他の記事にもある通り、私たちは今年、惜しくも全道への切符を逃しました。
私はずっと結果を受け入れられず、毎日、どうして駄目だったのか考えてばかりいました。なぜなら自信があったからです。
でも今日この記事を見て納得しました。
「問題意識を持って演じたがっていた芝居」
これが私たちの足りないものだと、今気づかされました。演技を磨くだけではなくそれ以外の事も磨かなければいけないのですね。
こんなに大切なことを気づかせてくれてありがとうございました。
私には来年があります。
今年全道に行けず悔しい思いをした先輩方の分まで来年頑張りたいと思います。
Posted by うるとら at 2011年12月11日 19:57
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