2015年12月31日

2015アワード

今年の観劇数は88本(同一作品の複数回観劇を含む)。
昨年より8本増えた。
年間を通じて、まだ体調と相談しながらの観劇という具合だ。
申し訳ないことこの上ないのだけれど、今年はちゃんと分析したり原稿を書くための準備をしていなかっりしたので、手帳を見ながら思い出しつつ書く。なので、原作者などは誤記もあるかもしれない。いい加減ですみません。
1月
▽札幌座「デイヴィッド・コパフィールド」(原作ディケンズ、構成・演出清水友陽)を再演演目対象の殿堂入りにしよう。そうか、清水の仕事はカフカの一連の小説作品を構成・演出した松本修さん(MODE。札幌市出身)の仕事に似てるなあ。とてもいい、貴重な仕事だ。
2月
▽劇団千年王國「ローザ・ルクセンブルク」(作・演出橋口幸絵=名字はもしかしたらもう櫻井だったかも。作曲・馬頭琴演奏・喉歌嵯峨治彦)は、のみ込まれて快感のけれんみ。文句なしに2013年初演時選定済みの「北海道演劇の宝」賞(09年に劇団北芸(釧路市)「この道はいつか来た道」のために特設した最高賞)の水準を維持していた。
8月
▽札幌座Pit「ブレーメンの自由」(作ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー=71年初演、翻訳渋谷哲也、演出弦巻啓太、音楽斎藤歩=歌詞は戯曲にある)。13年初演時選定済みの「北海道演劇の宝」賞。初演から替わった年長者がさすがのいい味。
▽イレブンナインプレゼンツ dEBoo(イレブンナイン内において小島達子がプロデュースする企画)「12人の怒れる男」(作レジナルド・ローズ、訳額田やえ子、演出納谷真大)も14年初演時選定済みの「北海道演劇の宝」賞。配役を少し変えて、なお高まったのではないか。プロデューサー小島達子の品質をゆるがせにしない意志に敬服。ありがとう! 私事、高校時代のガールフレンド2人と連日1人ずつ一緒に見て、デートの主菜にさせていただきました。達ちゃん、16年もすてきな芝居をよろしくね!
11月
▽劇団パーソンズ「くそったれアイラヴユー」(脚本・演出畠山由貴)はマイベスト。畠山が一皮むけて大きくなったように思う。観客なんてね、のみ込んじゃえばいいのよ。公私ともに充実して16年はいっそうの飛躍に期待。
▽札幌座「大海原で」(作スラボミール・ムロジェック、演出弦巻啓太)もマイベスト。由貴ちゃんが公私充実するかどうかのキーマン啓太。これはいい仕事でした。札幌座Pit的に時間をおいて再演を重ねてもいい演目だと思うな。
12月
▽ハムプロジェクト「幕末サムライヌード」(脚本・演出すがの公)は殿堂入りにする。初演からいろいろ進化しているらしくて、でも俺は初見なんだけどね。ハム芝居独特のしつこさ執拗さが、この芝居では良い方に出ていたと思う。

◇個人賞 目をつぶって、ぱっと思い浮かんだのが坂本祐以(劇団千年王國、コローレ)。札幌座「ルル」でもいい仕事をした。来年はもっともっと光輝くだろう。

あ〜なんとか2015年に間に合った。
みなさん、来年もよろしくね!
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2015年12月27日

レジェンド澤穂希ラストゲーム

13時50分からNHK・BS1で皇后杯女子サッカー選手権・決勝「新潟×神戸」が生中継されます。
日本のレジェンド澤穂希の泣いても笑ってもラストゲーム。
澤をみんながリスペクトしている新潟の選手には敬意を持って当たりに行ってほしいし、澤にはそれをかいくぐってラストゴールを決めてほしいものです。
サッカー日本代表の男子の単独最多得点記録保持者(75得点)釜本邦茂さんが、男女を通じては2011年7月1日に澤穂希が78得点目をあげ記録を塗り替えられた時には、「(自分の記録が)まさか女の子に抜かれるとは」と、いまどき時代錯誤的な男女差別の見下しコメントをして男を下げたというか、以来ほとんどマスコミにサッカーについてのコメントは求められなくなっちゃったのも記憶に新しいところです。
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ラグビーJAPANは命を懸けていた!

僕もついつい録画し忘れた伝説の番組がNHK総合できょう朝、再放送されるようです!
27日(日)9〜9時半の「NEXT」。
「ラグビーW杯 JAPANウェイ〜知られざる戦いの軌跡」。
ラグビーJAPANの試合前、エディーHCが「南アフリカをぶっ殺せ」と叫び、五郎丸が「サモアの首を絞めて殺そう」と静かゆえに不気味に言い、リーチ主将が「君が代の練習しよう」と一人だけ限りなく優しいあの不思議でぞくぞくする番組。
一時は放送内容があまりに過激なので再放送できずにお蔵入りになったんじゃないかと各方面から噂された名番組。
もうこれが最後の放送でしょう。
永久保存版です。
面白さは僕が保証します。
ぜひ録画もしながらお楽しみください。
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2015年12月22日

つれづれなるままに ♯4 2019年ラグビーW杯日本大会は鎮魂の祈りの場

9〜10月の生中継4試合を全部見て、録画を撮って、ことに南アフリカ戦は自宅にいる限り毎日1、2回は見ているラグビーW杯イングランド大会のJAPANだけど(大げさじゃなくほんとに100回は見ている)、きのうベースボール・マガジン社から出たばかりの「DVDブック ラグビー日本代表 9・19奇跡の南アフリカ戦」(フルマッチの国際録画がうれしい。実況は英語で、たま〜に出る日本語字幕が邪魔じゃない)を買ってきて、さっき見終えた。
リーチ主将はやっぱり英語でのコメントの方がうまいな(勝利後のインタビュー)。もともとの母国語が英語だから当然だけど。でも彼の日本語ってやさしさがにじみ出ていて大好き。
DVDに話を戻すと、冒頭、今大会までのJAPANのW杯におけるくそみそな負け続けの歴史が振り返られている。
そして社会人ラグビーといえば輝かしかった神戸製鋼の地元が1995年の阪神・淡路大震災で、その前に輝かしかった新日鉄釜石の地元が2011年の東日本大震災で壊滅的になったことにも触れられている。
2019年のW杯日本大会は神戸と釜石でも試合が組まれる。
ああ、そうか、2019年は鎮魂の祈りのマッチにもなるんだなあと、いまさらながらに思う。
このDVD、永久保存版。
ラストの「スポーツ史上最大のアップセット」JAPANの逆転サヨナラトライの後、NHK−BS同様、国際実況でもしゃべりがいったん途切れる。30秒沈黙(NHKでは豊原謙二郎アナウンサーが40秒近く沈黙)。
あれほどの感動になると、人はやはり言葉が出なくなるものなんだよ、と納得。
それを考え合わせても、日本テレビの結果を知った後での後付け実況はしゃべりすぎ、うるさい。やはりもう彼の局にはラグビーを中継してほしくない。
白い応援衣装をまとったおじさん(おそらくお腹のあたりに赤丸があって、おじさん全体として日の丸になっているはず)がラストまでいい顔で泣く。
おじさん、日本国民を代表してこの国際映像(DVD)に映ってるの知ってるのかな。
だれか教えてあげてほしい。
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2015年12月18日

つれづれなるままに ♯3 リーチ主将の冷静さ

釧路市・春採中時代からテレビでだけれどラグビーを好きで見続けてきて(大学も、好きなラグビースタイルのチームで決めた。自分ではプレーしないのに=笑)、今回のラグビーW杯でJAPANが南アフリカを破ったゲームは僕のあらゆるスポーツ観戦人生の中でもベストゲームだ。録画を毎日2回ずつ見ては泣いている。
だからあえてフィーバーに自戒を込めて押さえておきたい。ラストにリーチ・マイケル主将がペナルティーゴールではなくトライを狙うと決断したのが英断と褒め称えられるけれど、英断というよりは彼の冷静さがもたらした当然の判断ではないかと。
あの場面、ペナルティーゴールを決めれば32対32で同点だけれど、リーグ戦上の勝ち点ではトライを四つ取っている南アフリカの方が1点上回る。つまり勝負の上では実質的に引き分けではなく「負け」だ。
リーチ主将はスタジアムの観客もテレビの前のファンもみんなが勢いでトライを求めていたのに対して、それとは違う、実際にフィールドに立っているプレーヤーとして、「トライを取らなければ勝ち点の上では負けだ」と勝負に臨んでいる者として判断していたのではないか。そうだとしたら、あの熱狂の中での冷静沈着な判断こそがすごいなと、僕などは思う。
それに引き比べてあの場面、「あ、『スクラム組もうぜ』と言ってます」(このままではないけれど、こんな感じ)なんてドラマ仕立ての情緒に流れた実況(じゃないな。後付けだな。だって生中継しなかったんだもん)をした民間放送は、命を懸けたスポーツの瞬間ってことを一つも知っちゃいないな。最低だった。もう、あの放送局にはラグビーW杯は放送してほしくない。
プレーヤーが命を懸けたスポーツを、僕は命を懸けて見てるんだ。侮るな。最初からJAPANが負けると踏んでか、地上波独占中継権を持っているのに生中継しなかった日本テレビ(なぜか、このことはあまり触れられていないな。圧力かけてるのかな)。
すべては「信じる」ことから始まると僕は思って生きている。
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2015年12月10日

つれづれなるままに ♯2 野坂昭如さんを悼む

作家の野坂昭如さんが昨晩、亡くなられました。85歳でした。
僕は1983年、釧路の実家から寮に入り通っていた代々木ゼミナール札幌校で彼の講演を聴きました。田中角栄元首相を落とすために衆院選に出馬すると言っていたのですが、ほとんどの人は選挙権を持っていない予備校生のこと、だれも信じていなかったら、本当に12月の総選挙に出て負けました。
言行一致の気骨ある、好きな作家の一人でした。
「おもちゃのチャチャチャ」や札幌の「狸小路の唄」の作詞者でもあります。謹んでご冥福をお祈りいたします。
合掌。

追記
焼け跡闇市派・野坂昭如の“師匠”が耽美派・三島由紀夫だというと驚かれる方がいらっしゃると思うけれど、実際、野坂を認め文壇に引き上げたのは三島。
その三島はずっと「男」の世界に憧れ、「楯の会」なんていう私設軍隊なんかも創って、市ケ谷の自衛隊で隊員に決起を促してその見込みがないと知ると自害した(1970年11月25日。村上春樹が長編第一作「羊をめぐる冒険」の第一章「水曜の午後のピクニック」でさらっと触れている。さらっとだけれど、印象深く。もともと三島は死ぬ気で乗り込んだらしいけどね)。
野坂は一見「ぬえ」のようでつかみどころがなく、「エロ事師たち」というブルーフィルムなどに群がる男たちのエロ小説があるかと思えば「火垂るの墓」なんて涙流さずにはいられない小説や童話のようなものも書いた。三島の方向性とは全く違う、でもこれも「男」の世界。
ただ僕が思うには、三島は武士(もののふ)たらんとあがいて結局はなりきれなかった、道化と化してしまったのに対して、野坂は存在そのものがすでに武士であり、考え尽くされた尊敬すべき道化であったんじゃないかな。右翼でもない、左翼でもない、俺は俺の頭で考えるという自立した武士であり道化。
僕が野坂のことを思う時、彼はいつもセルバンテスの小説の主人公「ドン・キホーテ」と肩を組んでいる。
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2015年12月08日

つれづれなるままに ♯1 三つのハーゲンダッツ

劇評ブログ「シアターホリック(演劇病)」という表題だけれど、必ずしも劇評にこだわらずに文章を書いていくことにした。外勤記者に復帰したときに備えた文章修業のためと、劇評ブログという表題では書けない、でも心に留め置きたいことを書き付けておくためだ。もちろんみなさんのような他者に読んでいただくことが前提。自分だけがわかればよい日記のようにではなく、「これを読んで良かったな」って思ってもらえる文章を心がける。
第一回は、というより、この話題があったから新企画を始める気になったのだけれど、釧路湖陵高で同期(35期)の、いまは男女二人のお母さんであるガールフレンドのおめでたいことについて。
まだ昨日のホットなニュースだ。
彼女には大学生の長男と、高校生の年齢である長女と二人の子がいる。
娘さんを「高校生の年齢である」と持って回った言い方をしたのは、高校生ではないからだ。
札幌南高を受けた時に試験そのものはうまくできたらしいのだけれど、どういうわけか受験番号をひとけた間違って記していたらしい。
緊張が極限に達すると、人は普通では考えられないミスをおかしてしまうものだ。
有名な私立進学高にも受かっていてそこへ通い始めたのだけれど、校風が合わなかったのか、ようよう通わなくなり、結局やめたようだ。
娘さんはアルバイトをしながら週末と夏期講習や冬季講習に塾に通う自宅浪人になった。
年齢が上の人とのアルバイトでは気を遣うことも多くて、勉強だけしているよりきっと気苦労も多かっただろうと思う。
詳しくはわからないけれど。
それから1年半余り。
昨晩、会社で仕事をしていた20時32分、携帯に「娘の高卒認定試験 合格通知が届きました(*^^*)」と、ガールフレンドから控えめなメールが来た。
「やったー!!!!! おめでとう!」と僕は携帯メールで叫び返した。
娘さんは世界史だったか社会科の一科目が苦手で、その科目だけ不合格になっては複数回受けていたと思う。
「これで、他の人より1年早く卒業した感じになるの?」
「ううん、18歳の誕生日を迎えて合格者となるので、来年度、 同い年の皆と受けられるということになるみたい」
こういうのを「逆転満塁こんにちはホームラン」(野球なら「逆転満塁サヨナラホームラン」だけど、これから新たに数多くの友達と出会うのだから「こんにちは」)というのだろう。
ガールフレンドは職場からの帰りに、娘さんが大好きなアイスクリーム、ハーゲンダッツを、寄った店には種類が少なかったので三つだけ買って帰った。
僕が促すのと前後して、ガールフレンドは僕たちの釧路湖陵35期会にFBで報告した。
すると、あれよあれよのまに15人もからお祝いの言葉が上げられた。
みんな、娘さんご本人のご苦労はもちろん、母であるガールフレンドの気遣いも知っているからだ。
こんな言葉を贈った彼女のボーイフレンドがいる。
「同世代とは違う経験を背負った分だけ、人の気持ちに寄り添える大人になるぞ。間違いない」
友達っていいな。
僕はきのう久々に安眠した。
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2015年12月03日

TGR2015?大賞はチェーホフ劇場

TGR札幌劇場祭2015の公開審査会が12月2日(水)、札幌市内で行われ、大賞にロシア・サハリンのチェーホフ劇場「素晴らしい未来」(作プリヴァーロフ・ダニーラ、演出ゾブニン・パーヴェル)、特別賞(作品賞)にyhs「室温〜夜の音楽」(作ケラリーノ・サンドロヴィッチ、演出南参)、特別賞(企画賞)にRED KING CRAB「BAKA」(作・演出竹原圭一)が選ばれた。新人賞は劇団ロクデナシ「ファーレンハイト」(作・演出がくと)。
札幌劇場祭は2006年にスタートし今年10周年。
オーディエンス賞(観客賞)は五つ星満点で平均点が高かった首位打者賞に札幌スクールオブミュージック&ダンス専門学校「Master Piece」、最も星の数が多かったホームラン王賞に演劇ユニット イレブン☆ナイン「どう、しよう、も、ない」(作・演出納谷真大)。審査委員賞に琴似屯田兵入村140周年記念事業実行委員会「会津藩、かく戦へり」(作澁谷健一、演出山根義明)、トランク機械シアター「ねじまきロボットα〜ぼくのうまれたひ〜」(企画・監修大門奈央子、脚本・演出立川佳吾)。

ヘルペス脳炎のためTGR開幕目前の2014年10月28日(火)に緊急入院し、まる2カ月間、病床で死の淵の夢にうなされ、病状が軽くなっては劇場の夢に流されないもどかしさから1年、僕もとっくりと楽しませていただきました。
やはり夢は寝ても覚めても生きてこそ見るものぞ!!!
また来年を楽しみにしています。
posted by Kato at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 劇評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする