2015年07月19日

WORLD IS MINE

 yhs「WORLD IS MINE」(脚本・演出南参)を7月19日(日)、札幌・コンカリーニョで見た。
 界世小の1年生同士、男子ハルト(佐久間泉真)と女子カノン(最上朋香)。カノンは幼稚園児であるハルトの弟ユウト(氏次啓)と自分の妹フウカ(曽我夕子)との愛を打ち砕かんがため、ハルトとA.M.F.(あっち・向け・フォイ)の3回先勝ち勝負を挑み、2回勝つ。さて、窮地に追い込まれたハルトは…。
 3月に札幌市教育文化会館で上演されたyhsの名作集「テッペンパレード」で新作20分余として初演。今回は大幅に加筆し80分の上演となった。ちゃんとした起伏のある物語作品になった。
 ひとことでいえば、単純で面白い。単純だからこそ面白い。単純さ、わかりやすいコメディーこそとしての勝利だね。それでいて僕はなぜか「ロミオとジュリエット」なんかも思い出したんだな。人間関係がうまく描けている。なにより、初演よりよほど膨らませて丁寧に描き込んだカノンの深い心持ちが染みてくる。
 僕の読みでは−実はカノンは幼稚園時代からハルトが好きなのよ。結婚の約束までしていたのよ(僕は少なくとも幼稚園時代には結婚の約束をしませんでした。その先、食っていけるかどうかわからなかったから)。それが小学校に入学してカノンとハルトは別々のクラスになり、ハルトの突然の裏切り。ハルトは同じクラスのサラ(田中温子)とつきあい始めちゃったのよ。
 わかるなあ、このカノンの気持ち。これは現代日本のくそガキ連中を登場人物としながらも、古今東西の名作古典とされる物語を表面的にはわからないように下敷きにし、うまく踏まえた再生→新生産ではないか。だから僕としてはこれ一作を見ただけで、南参の古典への造詣の深さがわかる(南参には歌舞伎の古典を踏まえて現代に置き換えた「プリンセス・チェリー」などの作品もあるしね)。
 佐久間(僕は数年前、北海道中学生演劇発表大会審査委員長として彼が演出・主演した鴻上尚史作品を最優秀に推した→授賞)、いまはまだ高2とのこと、時の許す限り先輩たちから貪欲にいろいろ学んで大きくなれ!! ただ、舞台で自分をことさら大きく見せようとはしないように。いまの自然な舞台への立ち方だけで十分に大きく伝わってくるのだから。
 最上、すごくいいです。いけてます。どんどん客演したりしていろいろ学んでください。
 城島イケル、南参はほんとうにあなたのことを信頼して、あなたの使いどころを心得ているんだなあ。札幌小劇場界の宝となれ。
 最近再会して仲良くなった高校時代の同期生であるガールフレンドと一緒に見た。彼女はダンスなどで舞台に立ったことがある人。
 彼女曰く「サラ役の人はほんとにうまいね」。
 あっちゃん、ちゃんと見られる目を持っている人はどんな役でもちゃんと見ているんだよ。応援しています。精進してね。
 ちなみに彼女(ガールフレンド)、きょうが初めての小劇場観劇。それでもう、札幌小劇場の舞台に立ちたがっています。僕と同い年。滝川クリステルさんを思わせる美熟女です。リクエストがある方は僕にご連絡ください。
 南参、「117」プロジェクト、ほんとにやろうよ。僕は出来る限りのことをします。あの作品、あのプロジェクトのためなら、一肌も二肌も脱ぎます。あれは原案ミヤザキカヅヒサくんの、日本全国、いや世界中に通じる60秒という枠の中での短編演劇のあり方を提示した革命的な作品だと思うんだな。それを継承していくのは僕たちの仕事だと思うよ。僕、昨年末一回、死にかけているから、ほんとにおさらばになる前にさあ、頼んだぜ。
posted by Kato at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 劇評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする