2012年03月31日

修学旅行

 札幌厚別高校演劇部「修学旅行」(作畑澤聖悟、潤色戸塚直人、演出曾根田愛)を3月31日(土)、札幌・サンピアザ劇場で見た。良い芝居だった。
 劇団渡辺源四郎商店(青森)店主の畑澤が青森中央高校演劇部顧問として作・演出し、2005年の全国高校演劇発表大会で最優秀賞を受賞した名作。私は09年に北海道中学生演劇発表大会で十勝管内清水町立清水中学校全校生徒32人の劇団クリオネが上演し、最優秀賞を受賞して以来の観劇だ(その時は審査員として最優秀賞に推した)。
 四泊五日・沖縄への修学旅行の三泊目。女子高生5人が起こした小さくて大きくて小さな戦争。みんなでもりあがりたかっただけなのにどうして? 苦しいけど、楽しい。けど苦しい。私にとって平和って何?−。
 戯曲が素晴らしいのを差し引いても、良い出来栄えだった。なによりも私流に言えば、いかにも「演技してます」といういわゆる“高校演劇臭”が感じられず、出演者がみな舞台上で伸びやかに生き生きとしていたのが良い。配役もぴったりだった。
 芝居はラスト、5人が順々に自分の知る国の名前を挙げていく場面で終わる。たしか、最後にはイラクやアフガニスタン、北朝鮮などが挙げられる元々の戯曲では書かれていない、現在の紛争国としてアメリカ合衆国と日本が挙げられた。日本−。そうだ。いまこの国では、原発依存で行くか脱原発で行くかでも、国民の中に心の“紛争”が勃発している。名作戯曲は緻密に構成されているにもかかわらず、一方で懐が広い。だから、こうした潤色も可能なのだろう。痛いところを的確に突いた潤色だった。
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2012年03月30日

TPS、4月から「札幌座」に

 「財団法人北海道演劇財団主宰劇団TPS(シアタープロジェクトさっぽろ)」が4月から、機構改革と名称変更で「公益財団法人 北海道演劇財団付属 札幌座」(略称・札幌座)になる。
 チーフプロデューサー平田修二、チーフディレクター斎藤歩、また俳優・スタッフ、制作はTPSからそのまま移行し、座員に。座友に松本修、坂口芳貞、滝沢修、山野久治の4人が名を連ねた。一番大きく変わるのは、新たにディレクターとして、清水友陽(WATER33-39)、すがの公(ハムプロジェクト)、弦巻啓太(弦巻楽団)、橋口幸絵(千年王國)の4人を迎えること(4人がそれぞれ主宰するカンパニーでの代表としての立場はそのまま変わらず)。
 財団によると@札幌を本拠地として、プロの演劇活動を希望する人の受け皿を目指すAすでに他劇団に所属している場合、希望があれば所属し続けてもらうB新たな演劇人の参加をもって、創造力の強化を図り、「札幌演劇シーズン」の長期公演を可能にする−のが狙い。
 ここで背景を私なりに解釈、解説すると、これまでTPSは東京でも忙しく活躍する斎藤歩のスケジュールに合わせ、彼におんぶにだっこの形で作品作りをしてきた面が強かったが、札幌座では作品創造を新たに加わる4演出家にも分散して担わせることで新たな突破口にしようとの試みだ。
 平田チーフプロデューサーに以前聞いたところでは、役者陣も自分のカンパニーに在籍したまま、札幌座に客演できるとのことで−それはTPSである今までもけっこう行われてきたが−、今後はそうした客演陣も増えていくことになるのではないか(その後、方針が変わったかどうかは定かではないが)。
 それにしてもの「札幌座」。正直、私にはまだしっくりこない。文学座、俳優座とかは昔からあるし、ある演目を上演する際の出演者らの構成を座組と言うのは知っているけれど。21世紀になって、あえての「座」。時間が経てば慣れるもんでしょうかねえ。
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2012年03月24日

プリンセスチェリー

 yhs「プリンセスチェリー」(原作鶴屋南北「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」=1817年初演、脚本・演出南参)を3月24日(土)、札幌・コンカリーニョで見た。素晴らしい出来栄えだった。
 あらすじをチラシ掲載のものに補足して書く。教え子の男子・菊知秀丸(小原アルト)と禁断の恋に落ちた高校教師・清田玄(小林エレキ)は、学校で心中を図るが失敗し、自分だけが生き残る。17年後、定時制に移り教師を続けていた清田の前に、一人の女生徒が編入してくる。姫野智恵理(青木玖璃子)。大富豪にして元華族の娘に生まれたが、なぜか生まれつき左手が開かないという障害を持っていた。ところが父親が騙されて会社は倒産、父親は自殺。あげくに大借金を背負うハメになった。清田はそんな智恵理と出会い、彼女の左手を取る。すると彼女の左手が開いて、17年前に菊知が手にしたまま死んだ香水の小瓶を握りしめていたことから、彼女を菊知の生まれ変わりと思い込み、完全無欠のストーカーと化す。智恵理はというと、クラスメイトの中山権助(三戸部大峰)というろくでもない男と恋に落ちてしまい……。
 原作の物語や人間関係などのエッセンスをそのまま生かし、舞台を現代の高校に移し替えて「毒」と「笑い」を交えて描ききった南参の劇作はさすがに確かで、見事というほかない。ここはひとつ「南参歌舞伎」とでも銘打って、シリーズ化してはいかがだろうか。「じゃぱどら!!」の向こうを張って。
 昼メロ路線まっしぐらの女・智恵理を、青木が力むことなく飄々と好演。芝居が進むにつれての狂気が真に迫っている。
 エレキのうまさについては多弁は不要だろう。役柄の造形、それへの没入、ちょっとした間(ま)、そして狂気。今回も何度も笑わせられ、ぞっとさせられた。
 そして三戸部。彼は見た目もtptなどで活躍している個性派俳優山本亨にそっくりで、独特の存在感がある。今回も悪役を魅力たっぷりに演じてみせた。
 脇の役者たちも抜かりなく、芝居全体を引き締めていた。入場料が2〜3倍でもいいな、と思ったほどである。大袈裟に思われるかもしれないが、東京・渋谷のシアターコクーンで観劇しているかのような満足感を私は得られたのだった。
 楽日25日(日)は14時開演。
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2012年03月18日

天守物語

 札幌で活動する演出家が優れた日本の戯曲と向き合うための企画・じゃぱどら!!(プロデューサー清水友陽=WATER33-39)地区大会「岸田さんと鏡花さん」のWATER33-39「天守物語」(作泉鏡花=1917年、演出清水友陽)を3月18日(日)、札幌・シアターZOOで見た。
 あらすじはウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%AE%88%E7%89%A9%E8%AA%9E などでご確認ください(ずるいけど、すみません)。坂東玉三郎が精力的に上演している演目だから、歌舞伎ファンにも有名な名作だ。またウィキペディアに記載のある白井晃演出版はNHKで放送されたのを録画しておいたが、事前に見るのはやめにした。清水はパンフレットで、映像を見て勉強しては忘れるようにして、また映像を見て…といった苦労話を書いていたが、初見の私は心まっさらなままに見た方がいいのではないかと思ったのだった。
 はたして、引き締まった良い舞台だった。まず、舞台となる高い台の床が真っ白で、真正面の獅子頭も真っ白、演ずる女優たちも真っ白な着物で、それが真っ黒な壁のZOOに映えて、目を見張った。
 富姫は誰が演ずるのだろうと思い、観劇仲間とも話題になっていたのだが、WATER33-39ではこれまでどちらかというと地味な脇役が多かった印象の畑山洋子。これがかつてなく艶めき、輝いていた。
 対する姫川図書之介は赤坂嘉謙。彼は何をやらせても水準以上のところへいく。今回の鷹匠役も威厳十分で決まっていた(私など、昨年の風蝕異人街「ザ・ダイバー」に客演した時のある場面との落差を思い出して声は出さずに笑ってもしまったが)。そのうまさは、終演後に行われた日本演出者協会など主催の近代戯曲研修セミナーin札幌「岸田・鏡花を軸に近代戯曲を考える」で、演出家青井陽治氏からも感心されていた。
 さらにWATER33-39ではヒロイン的な役柄を振られることの多い中塚有里がなんとメーキャップを施して怪演! これは「あれが中塚さんだよ」と教えられてもわからないなあ。とにかく見もの。
 先のセミナーで清水は「アングラ(この場合の意味はアンダーグラウンド・カルチャー)がやりたかった」と言っていたが、ラストに至るたたみかけるようなすさまじさ、そして最後のファンタジーはまさにアングラの世界そのもの。鏡花、唐十郎と連綿と続くアングラをZOOの中で現出させ、アングラ大ファンの私としても満足の出来だった。 
 開演は19日(月)20時、20日(火)14時。
 ちなみに「じゃぱドル」1回ガラポンしたら、またもや飴玉だったぜい。ちぇっ。
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色褪せた生生、生、、、

 劇団アトリエ「色褪せた生生、生、、、」(作・演出小佐部明広)を3月17日(土)、札幌・ブロックで見た。
 うまくいかない東京の人々の物語「東京パラレルワールド」、コミカル&シリアスなドタバタ劇!「ラベリング」、覚悟を決めた二人の会話劇「コロンブスより長い旅」のオムニバス3話からなる芝居。全体で、観客に事件や犯罪、被害者に思いを到らせる趣向だ。
 1話目は2008年6月に起きた秋葉原無差別殺傷事件にモチーフを得たかのような会話劇。男女5人が狭い空間に3人は前方に座り、2人は後方に立ち、時折その位置を変えながら、実際に会ったり、また携帯サイトの電子掲示板で会話していたりするかのように台詞を放った末、先の事件を思わせる惨劇が起きる実験的な劇作。2話目はコンビニ強盗とコンビニバイト男女のコミカル&シリアスな結末を、どこか冷めた目で描く。3話目は娘を未成年の女性に殺された母と、数年後に謝罪に訪れた女性との会話劇。静かに抑えた言葉尻から怒りや無念がにじみ出す母役、長岡登美子の熱演が見ものだ。
 18日(日)は13・18時、19日(月)は20時開演。
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2012年03月17日

「うちゅうじんがでたぞ」・開演時間

 前項「うちゅうじんがでたぞ」の18日(日)の開演時間は13・17時。
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うちゅうじんがでたぞ

 演劇企画運営団体・札幌ハムプロジェクトの初の全体興行「うちゅうじんがでたぞ」(脚本・演出すがの公)を3月17日(土)、札幌・コンカリーニョで見た。
 全国旅回りユニット「skc」や北海道まちめぐり公演、演劇人109人と遊ぶ「札幌の人」「東京の人」、「○○の人大会」などと多彩な活動を行っているが、全員での全体興行は初めてだという。
 物語はちょっと複雑でわかりにくかったが、私なりの受け取り方を書くと、おハコさまの独裁国家で箱作りに従事させられている人間たちの脱出劇、とでもいうところだろうか。
 箱そのものを重ねたり、並べて置いたりしてある物に見立てて繰り広げられるラストの脱出行は見ものだった。
 開演前や中入りの休みには飲食物の販売があり、終演後にもプレゼント抽せん会があったりと、仕掛けもさまざま。「見せ物小屋の復権」的な楽しい時間だった。
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2012年03月15日

17、24日に北の映像ミュージアムでイベント

 北の映像ミュージアム(札幌市中央区北1西12、さっぽろ芸術文化の館1F)で17日(土)14時から、「北のシネマ塾」第3弾が開かれる。
 今回はNPO法人北の映像ミュージアム理事長兼館長の作家小檜山博さんが「『恋するトマト』について」と題し、北海道を舞台にした自らの小説「スコール」が原作の映画「恋するトマト」について語る。入場無料。
 また24日(土)14時からは子ども映画制作ワークショップ2011作品「命の樹」を上映。NPO法人北海道コミュニティシネマ・札幌」が主催し、札幌市の文化資産や市民の憩いの場を舞台に、中学生自身が短編映画制作を行う取り組みで、今回で5回目。発寒地区を舞台に、ルーツである屯田兵を物語のベースに、中学生が抱く思いを描いた。プロデューサー中島洋さん(シアターキノ代表、ミュージアム理事)による解説も予定。こちらも入場無料。
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言祝ぎ

 北海道舞台塾公演シアターラボで、芝居3本を3月11日(日)、札幌・コンカリーニョで見た。
 見たのは順に、intro「言祝ぎ」(作・演出イトウワカナ、ドラマドクター畑澤聖悟=渡辺源四郎商店)、リリカル・バレット「Man-Hall」(作・演出谷口健太郎、ドラマドクター御笠ノ忠次=案山子堂)、パインソー「微睡っこしいの、」(作・演出山田マサル、ドラマドクター福原充則=ピチチ5)。ここでは私が最も感銘を受けた「言祝ぎ」について書く。
 正月、独り住まいの長女(田中佐保子)のもとに、それぞれ独居のバツイチの妹(菜摘あかね)とゲイの弟(大高一郎、妹よりは年長)が訪れる。実は長女は20年前、自分が作った雑煮の餅を喉に詰まらせて父が死んだことに自責の念を抱いており、そこから前へ進めない。久々に再会した3人きょうだい。近況をさまざま話すうちに、ふと嫌な思いがよぎると、弟は恋人=男に電話することで逃げ、妹はテレビを眺めることで逃避する。だが長女には逃げ場、逃げるすべがない。そうして20年を独りで、嫌な思いを抱え込んで過ごしてきたのだ。
 弟は恋人と養子縁組することで同じ名字になって新たな家族をつくろうとしており、妹は離婚の遠因でもある、妻子ある男性との不倫を続けている。そうしてそれぞれに一歩を踏み出そうとしている。そうするうちに、弟は長女に雑煮を作るよう持ち掛ける。新たな一歩を踏み出すよう促す。はたして長女はどうするのか−。
 戯曲と演出に大きく分ければ、これまではどちらかというと演出で才気を感じさせてきたワカナだが、今回は静かな物語の中に奥行き、深みを感じさせた。役者たちが時折見せる奇抜な動きから浮かび上がる関係性の変化など、もちろんワカナ独特の演出にも見るべきものがあった。ラストのラスト、かすかな希望、再生の光が差し込む感じがよい。それはほんとうにかすかなものであるけれども、見る者の想像=創造を促す劇作である。それゆえにこそ、心に染み入ってくる作品になった。
 上演中に、東日本大震災発生の14時46分が経過した。アフタートークで畑澤が提案し、観客は黙祷した。そうした日に上演されるのが、なにか因縁めいた作品でもあった。
 これは「ことほぐ」と動詞形の題名になり改訂されて、5月末からコンカリで上演される。さて、どう変わるだろうか。
 「Man-Hall」はプレ公演ではその後の行き詰まりを感じさせたためか、まったく設定を変えての上演。「微睡っこしいの、」は私は苦手なシュールなギャグものだった。
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2012年03月09日

命を弄ぶ男ふたり

 札幌で活動する演出家が優れた日本の戯曲と向き合うための企画・じゃぱどら!!(プロデューサー清水友陽=WATER33-39)地区大会「岸田さんと鏡花さん」のイレブン☆ナイン「命を弄ぶ男ふたり」(作岸田國士=1925年、演出納谷真大)を3月8日(木)、札幌・シアターZOOで見た。
 鉄道への飛び込み自殺をもくろみ、夜の線路脇で出会った男2人。先にいたのは和服できめた眼鏡を掛けた新劇の俳優(エダーン=江田由紀浩)。後から来た、目と口だけ出して顔中包帯を巻いているのは実験中に爆発で火傷を負った35歳の研究者(ナヤーン=納谷)。お互い女性との恋情も絡み、自殺する意味を話し合いながら、どちらが先に決行するかを争い、また内心では「あんたのそんな理由なんて、自殺には値しないよ。この馬鹿」ってな感じの牽制もし合って、話がころころ転がって、さてさて…という名作。
 私は10年ほど前に見たことがある芝居だ。場所はTPSが本拠地をシアターZOOに移す前の、よりススキノに近い、今はないTPSスタジオ。エダーンとナヤーンよりずっとずっと若い、もしかしたら今はもう札幌にいない役者志望の20代の若者の試演会だったのかなあ、とにかくヘタで、時間が間延びしていて、残念ながら物語自体がよくわからないまま終わってしまったのだが。
 それと比べるのは恐ろしく失礼だが、今回は演出に目配りが利いていて安心して見ていられたし、気持ちを持って行かれた。素直にとても面白かった。男の色気も感じたし、身勝手さも我がことのように、鏡を突きつけられているかのように身に染みた。なによりシンプルで、なのに奥深い戯曲をあまりいじらず、演技達者の2人が全身で引き受けていたのが良かった(アフタートークで、もとの戯曲にはない、俳優が足指を骨折したというエピソードを入れたのは、エダーンが劇団イナダ組「このくらいのLangit」で実際に左足中指を骨折し全快していないためだとのナヤーンの説明あり)。
 ふと考えたら、納谷演出で素直にいい芝居だなあと思えたのは、シアターZOO提携公演リゼットの年間大賞を受賞したり、札幌劇場祭の大賞を受賞したりしたころ以来(だから5年前かな)の気がする。このところいつもなんだか、どこかがどこかのカンパニーと似ていたりという傾向が続いていて、かえってイレブン☆ナインが没個性になってしまっていた気がするから。それだけに、前にも書いたシンプルで奥深い戯曲を、エダーンとナヤーンの互いをよく知ったコンビで上演したシンプルさが良かったんだろうな。激情に台詞が聞きづらいところは確かに何カ所かあったけれど、ちっとも気にならなかった。ああ、こういう男いるなって。トークでナヤーンが言っていた通り、上演回数を重ねるほどに深みやうまみを増すのは間違いない。
 開演は9日(金)・12日(月)が20時、10日(土)は15・19時、11日(日)14・18時。

 なお昨年の「じゃぱどら!!」を見た人は「じゃぱドル」を忘れないで持参するようにご注意。5000円分の図書券などが当たるガラポンができる。あいにく私は今回分も含めて4回引いたら全部スカで、飴玉四つだった。
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2012年03月04日

悲喜劇「キネマの怪人」

 教文13丁目笑劇場「悲喜劇『キネマの怪人』」(作・演出棚田満)を3月4日(日)、札幌市教育文化会館小ホールで見た。
 以前から見たいな見たいなと気になりながらも、いつもなぜか時間の折り合いがつかずに見られなかったカンパニー。ようやく念願がかなったが、なかなか面白かった。
 舞台はオペラ座!…ではなく映画の撮影所。毎日映画の撮影で賑わっているこの撮影所だが、最近は不審な影がスタジオをうろつき、役者が次々殺されていくという「いわく」付きの撮影所…。この謎を解くのは名探偵の金田一か小五郎とか江戸川のうちの誰か。多分。オ○ラ座の怪人をベースに、ハムレットや鞍馬天狗、ドラキュラや西遊記まで和洋折衷往年の名作をパクりにパクった気分爽快のストーリー!。
 棚田(劇団怪獣無法地帯代表)といえば、映画、それもB級映画のコアなファンであり、自分のカンパニーでもその趣味を生かした芝居作りをしている。その好みは私も同じで、だから棚田作品のファンの一人だ。
 今回の「キネマの怪人」はまさに棚田の面目躍如。古今東西の名作を取り入れ、なんでもありの楽しい作品だった。そして最後にはホロッとさせる。30人余の出演者も、それはうまい人とさしてそうでない人の差こそあれ、みんな演じている楽しさが舞台に充満していた。それに観客も教文13丁目笑劇場ファンと見受けられる人が数多く、劇場全体が温かな空気に包まれていた。幸いなことだ。
 今回がもう第12回公演とのこと。これからも熱心なファンを引きつけて活躍していくことだろう。
 そういえば、この芝居のチラシもいかにもB級映画を思わせる念入りな作りで、ポスターは地下鉄内にも張られていた。なんだか幼少時を思い出して懐かしかったことだった。
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