2011年01月23日

サッポロ・ショー・ケース 告知

 昨年9月に開催に向けた「どうすんの会議」が開かれたまま、その後、深く潜行し、どうなっているのか分からない状態になっていた「劇玉(仮称)=裏短編演劇祭」が、「札幌短編演劇祭2011 サッポロ・ショー・ケース」という立派な名前で2月5(土)、6(日)の両日、札幌・コンカリーニョで開かれることになった。なのに、私が本チラシを初めて見たのが前項の「ロンリー・アクター・プロジェクト」だったということで、ちょっと情宣が遅い気がするので、お節介は承知でここで紹介しておく。
 今回は、ハムプロジェクト、リリカル・バレット、劇団怪獣無法地帯+3ペェ団札幌、TBGS.、演劇公社ライトマン、intro、yhs、CAPSULE、星くずロンリネス、nargiless、オノマリコ×城谷歩の計11カンパニーが参加。3カンパニーずつ「エンタメ」「ユニーク」「女流作家」「コメディ」、それに「SSCコレクション」の五つのプログラムで公演する。
 昨年8月の「教文短編演劇祭」で予選落ちしながらもその革新的な斬新さから札幌演劇界の話題をさらい、仕事のためにそれを見られなかったがために今回の企画を発案したyhsリーダー南参待望のTBGS.「117」は改訂再演される。
 1プログラム・チケットは前売り・予約500円(当日600円)。全プログラム・チケットは前売り・予約1200円(当日1500円)。問い合わせはyhs080・5595・4103へ。詳しくはホームページhttp://www.sapporo-show-case.com/で。
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LONERY ACTOR PROJECT VOL.13

 演劇専用小劇場ブロックの和田研一代表がプロデューサーの「LONERY ACTOR PROJECT VOL.13」を1月23日(日)、札幌・ブロックで見た。今回は5人が競演、それぞれ25分程度のコメディーで、趣向を凝らした芝居が観客を楽しませた。
 1本目は「ゆめ〜あったかいやつ〜」(出演・野かなえ=fireworks、作・演出米沢春花=同)。夢を見られない少女の小さな冒険。OHPを効果的に使い、絵や影絵と主人公の少女が戯れる夢幻的な芝居だった。
 2本目は「M氏の日常」(出演中里優香=おかめの三角フラスコ、作・演出こけし=同)。OLが帰宅してからの日常を描いた物語。彼女は結婚を控えている一方、実は秘密があって…というものだが、その鍵はちらりと出てくる人名で分かるもので、そこを聞き漏らすと面白さが半減するかもしれない。
 3本目は「FLOWER」(出演・作・演出吉岡尚吾)。カラオケ店で8年間働く男性が新人のアルバイト女性に一目惚れするのだが…。男性観客なら共感する人が多いだろう。
 4本目は「センチメートルジャーニー」(出演岡今日子=yhs、作・演出南参=同)。喫茶店で、別れた男に、積み立てていた金での海外旅行に誘われている女性。それがいつしか不条理演劇に変わって…。
 最後は「ニコルソンジャック」(主演ナガムツ、作・演出亀井健=AND)。父の形見のサイフォンでコーヒーを煎れている女性。ふとした退屈なひとときに、彼女の脳裏にはさまざまな想像が浮かんで…。
 私個人の好みでは「ニコルソンジャック」が良かった。落語もするというナガムツらしさが全開。何より、その女性の過去から現在、そして未来をも想像させる亀井の本が良かった。物語的でないということでは5本の中で一番、物語的ではなかったのに。今まで見た亀井の戯曲の中では一番分かりやすかったし、親しみが持てるものだった気がする。
 いずれ劣らぬ力作ぞろいの企画。一人芝居は札幌でも滅多に見られる機会はないので、ぜひ足を運んで楽しんでいただきたい。24日(月)は20時開演。
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2011年01月16日

ぐるぐる、しない

 北海道舞台塾公演「ぐるぐる、しない」(脚本・演出納谷真大、舞台スーパーバイザーイナダ)を1月16日(日)、札幌・かでるホールで見た。一昨年のリーディング公演「ぐるぐる地獄」、昨年の「ぐるぐるぐる」に続く、3年計画の最終年だ。
 晴れて喫茶店「カルフール(フランス語で「交差点」の意味らしい)の店長になった高村ミヤコ(今井香織)が突然、失踪する。行く先は誰も知らない。残されたマスター(武田晋)や元スピリチュアルカウンセラー(小島達子)、ミヤコの友人で1児の母になった小春(藤谷真由美)、常連客の元夫婦(杉野圭志、林千賀子)は右往左往。そんな中、刑事川又(納谷)がある事件を調べに店にやって来る−。出演はほかに小林エレキ、児玉由貴。
 昨年のシチュエーションコメディーの延長かと思ったら、ちょっと猟奇的な犯罪のにおいも漂い、これまでとは異質な雰囲気。最後はハッピーエンドと言えば言えるのだが、見ようによっては胸の底に澱も残る。
 3年間、納谷が紆余曲折、試行錯誤したのが手に取るように感じられるけれど、まあ落ち着くところに落ち着いた感じはする。
 私としては1年目のリーディング公演の、出演者が舞台狭しと駆け回った躍動感溢れる“芝居”が一番印象に残っている。ああ、こういうリーディングもありなんだなあと妙に感心しながら帰宅したのがつい昨日のことのようだ。
 関係者の皆さん、3年間(その前年の「正しい餃子の作り方」を入れると4年間)、本当にお疲れさまでした。
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国語事件殺人辞典

 2週間ぶりのご無沙汰でした。この間、シアターZOO寄席2回(2、3日)と斎藤歩の朗読「観音力疾走」(3日)を見た以外は芝居は1本も見ず、映画「ノルウェイの森」と「海炭市叙景」を一日のうちに見るという無謀なこと(10日)をしてました。この映画2本で合わせて5時間。翌日どっと疲れましたとさ。
 じゃぱどら!!地区大会「井上さんと岸田さん」の劇団回帰線「国語事件殺人辞典」(作井上ひさし、演出西脇秀之)を1月15日(土)、札幌・シアターZOOで見た。
 「じゃぱどら!!」とは清水友陽(WATER33-39)がプロデューサーを務め、日本の近代・現代演劇の戯曲を見つめ直し、札幌の若手演劇人が上演する新シリーズ。で、第1弾が昨年惜しまれつつ亡くなった現代日本演劇界の巨人・井上ひさしに西脇が挑んだということなのだ。
 劇団回帰線の芝居を見るのも久しぶり。このところ西脇は、やまびこ座の座付き作・演出家のような役割をずっと務めていたからなあ。久々にホームグラウンドに帰ってきたといったところでしょう。
 この作品は1982年作。花見(甲斐大輔)という、立派な国語辞典を編纂しようという学者が世の日本語の乱れを憂い、やがてあることで亡くなるまでを歌や踊りも交えて描いたものだ。演技派小林なるみをはじめ、京極祐輔、松岡春奈らの抑制の効いた演技もあって、井上の言葉に対する熱いメッセージが伝わってきた。
 この井上作品としては再演されることの少ない戯曲をシリーズの最初に持ってきたところにも、このシリーズへの清水らの思いがこもっているように思う。それは日々新作を創ることに追いまくられて疲弊してしまいかねない劇団がリフレッシュする手立てとしてもそうだし、井上が遺した日本語という言葉への熱い思いを受け取る(それはこのシリーズ全体を通しての意義でもある)という意味でもだ。
 私はこのシリーズに大いに期待している。実はこんなシリーズはもっと早くからあってよかったものだ。ようやく機が熟したということなのだろう。だって私はずっと思っていたもの、誰かあの作家を取り上げてくれないかなあ、いつかあの名作をなどとね。
 第2弾は清水のWATER33-39が岸田國士の「犬は鎖に繋ぐべからず」を2月17日(木)〜20日(日)に上演する。
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2011年01月01日

観劇初め

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 というか、「2010アワード」では、改行がなくなるという不測の事態を招き、ご迷惑をおかけしました。原因は仕事始めになったら、会社でパソコンに詳しい同僚に尋ねてみます。
 tps小文字で大作シリーズ「椅子」(作ウジェーヌ・イヨネスコ、翻訳安藤信也、演出斎藤歩)を1月1日(土)、札幌・扇谷記念スタジオ・スタジオ1(シアターZOO隣)で見た。
 「椅子」は、海に囲まれた孤島で暮らす老夫婦が全世界に向けたメッセージを弁士に託して伝えるため、各界の名士らを集めるが、さて当の弁士が語ったメッセージとは−という上演時間65分の不条理劇の古典であり傑作。
 この日は12月25日(土)から8日間、計12ステージの最終日。それにしても斎藤の老人役は説得力があるなあ。びしばしくる。対する宮田圭子の老婆役もよく呼応して、実に見応えのある芝居だった。
 物語は正月に見るにはラストがかくんってなる不条理劇なんだけど、充実した観劇初めだった。
 明日からは2日間、シアターZOO寄席の予定。
posted by Kato at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 劇評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする