2006年12月27日

2006アワード

 今年の観劇が終わった。
 1月のTPS「西線11条のアリア」(札幌・シアターZOO)から12月24日のskc「サンタのうた」(シアターZOO)までで146本(オペラ、バレエ、ダンス含む。同一演目の複数観劇含む)。もしかしたら昨年より減るのではないかと思っていたが、昨年の144本を2本上回った。
 月12本。週3本。案外これが、札幌演劇の上演ペースかもしれない(244本観た年は東京観劇も多かった)。
 16、17日と東京で芝居を5本観てきた。
 青年団の「ソウル市民」「ソウル市民1919」、竹中直人の匙かげん「そう。」、野田地図「ロープ」、風琴工房「食卓夜想」。また別に書く機会もあるだろう。
 今年のまとめである。
 今年は札幌演劇界に朗報が相次いだ。
 まずは3月に劇団千年王國主宰の橋口幸絵が「若手演出家コンクール2005」で最優秀賞と観客賞を受賞。
 4月には江別の「ドラマシアターども4」が復活した。
 5月には札幌・琴似のコンカリーニョが新生。
 8月には、今年発足10周年を迎えた北海道演劇財団の祝いの会が開かれた。
 また11月には札幌市内8劇場が組んで初の「札幌劇場祭」が開かれた。
 従来はばらばらに行われていた各劇場の企画機能が1カ月に集中して展開されたもので、これが拡充すれば大したことになるのではないか。各劇団の中で「11月に演劇を打つのは勇気がいる」ということになって質が高まり、一方で劇場プロデューサーの中から、明日の北海道劇場の企画運営を担う人材が出てくるかもしれない。
 その日を楽しみに待とう。
 さて2006マイベストの選出だ。
 端的に言う。2006マイベストはyhs「THE KING OF ROCK AND ROLL」(11月)に決めた。
 yhsは2年連続の受賞だ。選んだ方が言うのもなんだが、おめでとう。しばらく1月の「西線11条のアリア」がそのまま行くかとも思ったが、今年も大詰めで決まった。
 間(ま)で笑わせる域に達したyhsは、これからますます伸びていくのではないか。いっそうの集客にもつながることを期待したい。なにせ、もったいない。みんな、yhsをもっと見よう。
 個人賞はまず、演目自体がもともとあったということを差し引いてもなお、指輪ホテル北海道公演「Please Send Junk Food in Hokkaido」(8月)の女性たちに。女性の、幼児から少女、女の子、女性へと成長する過程に物狂おしいほどの愛おしさを薫らせた彼女達に乾杯。
 個人賞はもう一人、弦巻楽団の劇作・演出弦巻啓太に授与しよう。「幻じゃなく、夢のようなだけ」「死にたいヤツら」「センチメンタル」という一連の作品はいずれも水準が高かった(もう一本、夏の高校野球決勝、駒苫対早実=15回までの時=の裏で、札幌・サンピアザ劇場で行われた毎日新聞社主催の講演会での戦争に関する芝居もあった)。来年はなおいっそうの面白さを期待する。
 道外賞は黒テントの「ど」だろう、これはやっぱり見た時の率直な感想。
 さて来年はどんな年になることやら。さっそく次回は期待の芝居の特集といこう。
posted by Kato at 00:55| Comment(0) | 劇評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月10日

札幌劇場祭

 怒涛の11月が終わった。怒涛の、というのは札幌劇場祭のことである。
 札幌劇場祭とは札幌にある8つの劇場(演劇専用小劇場ブロック、扇谷記念スタジオ シアターZOO、札幌市教育文化会館、札幌市こども人形劇場こぐま座、札幌市こどもの劇場やまびこ座、サンピアザ劇場、生活支援型文化施設コンカリーニョ、ターミナルプラザことにパトス)が手を組んで、30のプログラムを上演した試みのことだ。観劇者がぐるぐる札幌市内を回ることから、別名「シアターゴーラウンド」。
 札幌劇場祭自体は昨年、シアターZOOのみで行われたが、この規模で行われたのは初めて。
 そして今回、札幌舞台芸術賞というものも設けられ、私も審査員7人の1人として、審査対象18本中、15本を観た。
 土日に芝居4本を観るのは私にとっては日常なのでさほど大変なことではなかったが、自由な気持ちで観るのと、審査のために観なければならなくて観る(もっとも根が好きだから苦痛ではなかったが)のとでは、やはり消耗が違った。
 11月には従来になく劇評を書いたが、いずれもがノミネート作品だった。
 そうして11月30日、審査会が開かれた。
 かんかんがくがくの審査を経て、出た結果は札幌舞台芸術賞札幌劇場祭2006大賞が弦巻楽団の「死にたいヤツら」、新人賞が劇団リベラルシアターの「FF」だった。大賞は東京公演への助成、新人賞は札幌公演への助成が行われる。
 かんかんがくがくと書いたが、「あそこにだけは授与したくない」とか「あれは芝居ではない」とか、それはもう書くのもはばかられるほどに面白い激論なのだった。
 ということで、弦巻楽団にはぜひ弦巻啓太作・演出の「果実」の再演を期待したい。以前にも書いたが、弦巻版「世界の中心で、愛をさけぶ」といった趣の感動作だ。助成金も出ることだし、ご一考願えないかな。
posted by Kato at 00:35| Comment(0) | 劇評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする